2026年09月25日

【令和8年台風第25号】過去最大級の豪雨災害→「崖地対策」の抜本的な政策転換の必要性

このたびの台風第25号による記録的な豪雨により被災されたすべての皆様、避難生活や停電・交通障害などで不安な日々を過ごされた皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。

また、土砂崩れ等の被害により尊い命を落とされた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆様に衷心よりお悔やみを申し上げます。

■七夕豪雨を超える「過去最大級の雨量」と市内の被災状況

9月22日朝8時半に全議員宛て連絡に記載された「台風第25号への対応に関する市長コメント」には、今回の豪雨は20日降り始めからの連続雨量が野比出張所で連続雨量451.5mmを記録するなど、市内各所で450mmを超える猛烈な雨に見舞われたこと、そしてこれは、横須賀に甚大な水害をもたらし高齢の方の記憶に強く残っている1974(昭和49)年の「七夕豪雨」をも超える、過去に例を見ない雨量であったことが記されていました。

また、市議会に共有されている最新の報告(9月24日昼12時時点)によると、市内の被害は極めて甚大です。

■被害総数:404件

  • 人的被害:死者3名(長井1丁目にて台所への土砂流入で1名、長井2丁目のがけ崩れによる家屋全壊で2名)
  • 土砂災害:135件
  • 道路・橋梁被害:114件
  • 住家・非住家被害:計65件 (住家51、非住家14)
  • ライフライン被害:7件
  • 水道断水:8件
  • 河川、ため池など水害:8件
  • その他被害:65件


市側も警戒配備を敷き、市内全域への避難指示や20か所の風水害時避難所開設など全庁体制で対応に当たりましたが、大きな被害と尊い犠牲を出してしまう結果となりました。

■「崖地対策」の限界と構造的課題

今回これほどの被害件数、とりわけ135件もの土砂災害が発生した背景には、横須賀、三浦半島が抱える構造的な課題があります。
それは、「崩落リスクを抱える崖地の多くが『民有地』である」という点です。

朝日新聞の報道で上地市長の記者会見コメントが公表されていますが、横須賀市は平地が少なく、丘陵地や急傾斜地に住宅が密集して発展してきた歴史があります。そして、宅地に隣接する崖地の多くは個人や法人が所有する私有地(民有地)です。

■参考:横須賀女性死亡の崖崩落 以前から土砂流出、所有者に対応求めていた,朝日新聞,2026年9月24日 20時42分,土居貴輝 奥田薫子
https://www.asahi.com/sp/articles/ASV9S35KXV9SULOB017M.html

記事からの引用「市関係者によると、2024年7月~26年6月、周辺で計3回、斜面上から小規模ながら土砂が流出するなどし、女性の夫が市に対応を求めていた。市が土地の所有者に対応を求めるさなかに、今回の土砂崩れが起きた。
 ただ、市有地でないため市は崩壊対策の工事ができず、市幹部は「地権者に管理責任があり、行政としてやれることが非常に少ない」と話す。
(中略) 
 上地克明市長は24日、臨時会見で「横須賀には民有地の崖がかなり多い。できる限り犠牲のないようにするため、何をすべきか考えないといけない」と話した。」

地方自治体の法的な権限や公金支出の原則において、行政が民有地に直接税金を投入して予防的な防災工事を行うことには極めて高いハードルが存在します。
「私有財産の保全・管理は所有者の責任(自己責任)」という原則が立ちはだかり、危険性が認識されていながらも、所有者の経済的負担や合意形成の難しさから、抜本的な対策工事が進まないまま放置されてしまうケースが市内各所に存在しています。

これは決して市内の特定の場所の話ではなく、三浦半島に住む以上、すべての人に関わる問題です。

実際、私が暮らしている浦上台3丁目から浦賀駅へと向かう通学路・生活道路の途中の崖地も、まさに全く同じ状況にあります。
「いつ崩れてもおかしくない」と地域住民が不安を抱え、実際に何度も崩れたり木の落下がこれまでもありながらも、私有地であるために市が直接手を出せず、対策が膠着したまま、今日の被害に至っています。

したがって、今回の災害で起きた悲劇は、行政の不作為を一方的に糾弾して済むような単純な問題ではありません。
これは、市議会議員としても、皆様にお伝えしなければならないことだと思っています。
 また、現場の職員や救助隊の皆さんは昼夜を問わず懸命に対応にあたっています。
 問題の本質は、「現行の法制度・行政枠組みのままでは、民有地の崖崩れから市民の命を守りきれない」という、制度そのものの限界にあります。

■崖地対策の「抜本的な政策転換」を

 気候変動に伴い、かつてない強度の線状降水帯や巨大台風が「毎年のように起こりうる日常」へと変わりつつあります。
 これまでの延長線上にある支援制度や、所有者任せの管理原則に頼っていては、次の豪雨でも同じ悲劇を繰り返してしまいます。

よって、民有地であっても、崩落によって第三者の生命や地域の幹線道路等のインフラに甚大な危険を及ぼす恐れがある箇所については、

  • 公費投入や代執行の基準を緩和・見直すこと
  • 所有者負担を軽減し、予防保全工事に踏み切れる強力な補助・融資の方法をつくる
  • 市単独負担では到底担い切れないため、国や神奈川県に対しても、法改正や財政措置を強く働きかけること


など、これまでの常識を打ち破る崖地対策の抜本的な政策転換が求められていると考えています。

現場では今なお懸命な捜索活動や道路啓開、被災者の生活支援が続けられています。

そして予断を許さないことに、気象情報では次なる台風の襲来も予測されています。
これ以上の二次災害や被害を出さないため、市議会議員の一人として、まずは目の前の安全確保と迅速な情報提供、現場の支援に全力を尽くしてまいります。

市民の皆さまにおかれましても、周囲の崖や斜面の様子に十分注意を払い、少しでも異変を感じた際は躊躇なく安全な場所へ避難してください。

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