2026年01月06日
【祝賀の言葉と、現実をつなぐ役割として】(2026年新年賀詞交歓会)
2026年も始まりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
本日(1月6日)の横須賀市新年賀詞交歓会において、上地市長は、昨年の成果と将来像について語りました。
全体を通して少なくとも私にとって印象的だったのは、「創」「変転」といった前向きなキーワードと、再開発・観光・医療といった政策が並べられている一方で、「子育て」がたった一言しか登場しなかった点でした。
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① やはり一番最初に挙げたのは再開発:浦賀と大矢部
上地市長は、浦賀ドック周辺地区の再開発および大矢部弾庫跡地の利活用を「市長就任以来の悲願」として強調しました。
確かに、長年動かなかった土地が動き出したこと自体は一つの事実であり、私も前向きに捉えています。
他方、「誰のための前進なのか」という視点は、特に計画の基礎づくりが進む今年、最も忘れてはならない重要なものです。
計画が出来てしまえば、市民意見の入る余地は限られてしまいます。
・言わずもがなですが、浦賀においても、人口減少と高齢化が進み、日常生活の利便性はむしろ低下しています
・再開発の青写真だけが現時点では掲げられているのみで、交通、医療、買い物、子育てといった生活インフラとの接続や、具体的な収支などプロジェクトを市民が見極めるための情報は極めて抽象的です。
「第2の開国」「世界へ開かれたまち」という言葉が先行していますが、そこで暮らす市民の生活がどう変わるのかについての具体的説明は、今後さらに求めていく必要があると強く感じました。
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② 観光1000万人
観光客数1000万人突破、ファミリー層の(ごくごく若干の)転入超過、大河ドラマへの期待など、上地市長の言葉は、明るい数字と希望に満ちています。
念頭のご挨拶なので、それは当然のことだと思います。
しかし、議会も市役所も日々向き合っているのは、次のようなお声だと思います
・若者の市外流出は止まっていないし、少子化トレンドは反転していない
・非正規雇用と低賃金によって福祉が支えられている
・観光による経済効果が、市民生活の安定にどう還元されているのかが見えない
なにより、「来て良かった横須賀」と「住み続けられる横須賀」は、一致する部分も、そうではない部分もありますよね。
観光の成果がどのように市民の所得や生活の安心につながっているのかを、もう少し聞きたいと思うのは、私だけではないと思うのです。
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③ 行政の最終目的は福祉
これまでもそうでしたが、上地市長は、「行政の最終目的は福祉」と今回も明言していました。これ自体は、私も全く異論はありません。
ただ、その直後に語られた、
・ビッグデータ解析
・生成AIを活用した傾聴相談(※12月定例議会の一般質問で加藤ゆうすけが批判的に論じたあれです)
・テクノロジーによる先進的施策
という部分には、少し思うところがあります。
デジタルを含む先端技術の活用は私が議員としてずっと求め続けているものであり、それ自体は大賛成です。
しかし、福祉・医療・子育て・介護の現場からいつも聞こえてくるのは、人手不足・低賃金・制度の複雑さ・支援からこぼれ落ちる人の存在…といった課題で、その中には、行政が責任を積極的に引き受けることがまず必要なのでは?というものもあります。
「誰も1人にさせないまち」を掲げているわけです。
「現場で何が足りていないのか聞かせてください!」という前向きなメッセージも、ほしいところでした。
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■祝賀の言葉と、現実をつなぐ役割として
新年賀詞交歓会は、希望を語る場です。
しかし、議会に身を置く者としては、私は、希望と現実をつなぐ役割を大切にしていきたいと思っています。
新年を寿ぐ華やかな舞台・明るい希望溢れる言葉の裏側で、声を上げられない市民、制度に置き去りにされる人がいないだろうか?
その問いを、今年も議会の場で粘り強く突きつけていきます。
ーー以下、メモですーー
260106上地市長 新年賀詞交歓会
※聞き書きなので、一言一句上地市長の完全な言葉ではありません。
■1 はじめに
皆様におかれましては、健やかに新春を迎えられましたこと、心よりお慶びを申し上げます。
本日はご多用の中、こうして横須賀市新年賀詞交歓会に多くの方に御参会いただきました。
(※ここに米海軍のご来賓への謝辞が入りました)
横須賀市においては、まずは他都市で見られたような大きな災害が無く、幸いにして、比較的穏やかな新年です。これも皆様の日頃からの備えとご尽力があったことで、改めて深く感謝を申し上げます。
■2 昨年の振り返り
●浦賀ドック周辺地区と大矢部弾庫
さて、昨年(2025年)、私は市政を進めるにあたり、作る創造の「創」という一文字を考えて前進してまいりました。これは、横須賀から新たな価値を創造し、それを市民の皆様のかけがえのない財産としていくことを目指したものです。その中で、長年構想を掲げてきた様々な取り組みが、いよいよ具体的な形として動き出しています。実りある一年であったと感じています。
中でも大きな前進として、浦賀ドック周辺地の再開発と大矢部弾庫跡地の利活用の2つをお伝えしたいと思います。浦賀は、ペリー来航の地で、造船のまちとして日本の近代化を支えた横須賀の歴史の象徴的な場所であると思っています。造船所としての役割を終えたあとは長く静かに眠りに着いていましたが、この度は住友重機械工業様のご厚情により、「第2の開国」をテーマに、歴史と未来が交差する、横須賀ならではの特色を生かしながら、浦賀を、産業、文化の拠点としてだけではなく、世界へと開かれたまちとして整備を進めていくこととなりました。令和11年には、新たなまちを一部でも皆様にお見せできるよう、着実に歩みを進めてまいります。
また、大矢部弾庫については、令和10年の完成を目標に、防災機能と地域交流を兼ね備えた大矢部緑の公園を整備します。この場所は、三浦半島のルーツとも言える三浦一族とも非常にゆかりの深い場所であり、軍に接収されていたが故に都市化の波を避けられ、現在までその当時の姿を奇跡的に残して、今後は三浦一族を永く顕彰する場所にするとともに、新しいコミュニティの拠点としております。これら2つのプロジェクトは、市長就任以来の悲願であり、実現に向けた確かな一歩を踏み出せたこと、大変嬉しく思っています。
これらの事業は、いずれも、単なる施設整備にとどまるのではなく、横須賀のアイデンティティをもう一度掘り起こし、次の時代へとしっかりとつなげていく試みであります。民と官、そして地域の皆様とが丁寧に議論を重ねながらそれぞれの役割を果たして進めていくことで、横須賀ならではの魅力と価値をより一層高め、将来世代に誇れるものとして形にしてまいります。
●その他の再開発
まちの姿も着実に変わり始めています。横須賀の中心地である横須賀中央駅前では、若松町2丁目地区市街地再開発事業における建築工事がいよいよ今月から始まります。
追浜駅や、京急久里浜駅周辺においても、バスタ事業など様々な開発事業の計画・検討が進められており、住居、商業、交流、にぎわい機能が一体となった新たな都市空間が生まれようとしています。これらの各地域がそれぞれの特色を生かしながら大きく動き始めていることをぜひ感じていただきたいと思います。
■3 観光
これまでも様々な取り組みの積み重ねにより、令和6年には観光来訪者数がついに1000万人を超えました。転入者数も増加し、特にファミリー層では転入超過になるなど、人口動態にも前向きな変化が生まれています。さらに、来年には小栗上野介を主人公としたNHKの大河ドラマ「逆族の幕臣」の放映が予定されています。横須賀の歴史や先人たちの足跡が全国に広く発信されるまたとない機会であり、今後は、関係機関とも連携しながら、まちの活力、そして地域の誇りの醸成につなげていきたいと考えます。
そして、この流れをより確かなものとして、1人でも多くの方に横須賀に住んでよかったと思っていただけるまちづくりを進めてまいります。
■4 福祉・医療・健康
そして、行政の最終目的は、福祉の充実であります。
横須賀で暮らす全ての方が、多様性を認めあい、互いに支え合いながら、安全に、そして安心して生活できる社会、誰も1人にさせないまちを実現することが市政運営の根幹であります。
にぎわいづくりや魅力創造による経済の好循環のもと、生み出した財源を市民福祉の向上に充てることで、すべての市民の方々に幸せを感じていただくことができることが私の務めであると考えています。
その1つとして、昨年は、医療、介護のビックデータを解析し、健康リスクを先読みした保健指導を全国に先がけて導入しました。また、生成AI技術を活用した傾聴相談サービスにも着手したところです。
引き続き、最新のテクノロジーを最大限活用し、人にしかできない、人だからこそできる、市民1人1人に寄り添う健康、保険、福祉施策を展開していきます。
合わせて、これら横須賀が誇る地域医療体制は、医師会、歯科医師会、薬剤師会に加え、病院協会の皆さんに力強く支えていただいています。今後も、この連携をさらに発展させ、万全の医療体制を決めてまいります。
さらに、昨年は久里浜に横須賀市立総合医療センターを開院し、三浦半島における中核的な医療拠点として新たな役割を担えるようになります。高度な医療を安定的に提供できる体制が整ったことは、日々の安心な暮らしを支える上で非常に大きな意義を持つと考えています。
こうした医療体制の充実をはじめ、福祉、子育て、地域支援など、暮らしを支える施策をさらに重ね合わせることで、誰も1人にさせない町の実現に向け、引き続き全力で取り組んでまいります。
■5 今年の一文字
私が市長に就任してから8年と半年であり、コロナもあり、世界は大きく変わりました。昨年も、来年の今頃世界はどうなっているのか、誰も予想することは非常に難しいと思います。
そこで、私は今年の一文字として変転(※一文字じゃない?)を選びました。
今年は昨年以上に社会は変化すると思っています。横須賀市はその変化に決して遅れることなく、むしろ先駆者として、変化を力に変え加速度をつけ前に進んでいこうと思います。
ぜひ今後とも、ご参会の皆様におかれましては、こちらは変わらぬお力添えのほどをどうぞよろしくお願いを申し上げる次第でございます。
■6 結びに
結びとして、皆様にとりまして令和8年が光あふれ、そして希望の意思と輝かしい1年となりますよう、心よりお祈り申し上げ、私の年頭の一言といたします。ありがとうございました。どうぞ今年もよろしくお願いいたします。