2026年10月05日

【長期欠席した議員の報酬を減らせる条例を可決】(2026年10月5日 本会議)

本日10月5日の本会議において、
議員が長期にわたり会議等を欠席した場合に議員報酬および期末手当を減額できる特例を定めた
「議会議員の議員報酬等の支給の制限に関する条例」(議員提出議案第2号)
が可決・成立しました。
公布の日から即日施行されます(つまり20日以内には施行されます)。
https://drive.google.com/file/d/1z8NSkkMfJnQ7yL4S-4lOkDG9A7BAv9GK/view?usp=sharing

地方議員の職責及び議会への市民からの信頼確保と、病気や出産・災害などやむを得ない事情への配慮を両立させるため、今回ルールを策定しました。
制度の具体的な仕組みや藤野英明議員による賛成討論のポイント、そして今期議会における実態について報告します。

■1. どのような事例に適用される?

今回の条例は、議員としての職責と市民への説明責任を果たすために定められました。制度のポイントは以下の通りです。

①「長期欠席」の定義

  • 疾病(病気や怪我)その他の事由により、「180日を超える期間」にわたり「会議等」を「全て」欠席することを指します。


  • 対象となる会議等:本会議だけでなく、常任委員会・特別委員会・議会運営委員会、政策検討会議、公式な議員派遣・委員派遣など、議会活動に関わる公式な会議の大半が含まれます。

  • 適用のタイミング:単に180日が経過しただけでは該当しません。最初に欠席した日から180日を超えた後、「最初に出席すべき会議」を欠席した時点で初めて長期欠席に該当します(例えば181日目以降に開催された会議を欠席した時点)。


② 報酬・期末手当の減額割合

長期欠席に該当した場合、該当した日の属する月の翌月分から議員報酬が段階的に減額されます。

  • 180日超〜210日以下:25%減 × 1ヶ月分
  • 210日超〜240日以下:25%減 × 2ヶ月分
  • 240日超〜270日以下:25%減 × 3ヶ月分
  • 270日超〜300日以下:25%減 × 3ヶ月分 + 50%減 × 1ヶ月分
  • 300日超〜330日以下:25%減 × 3ヶ月分 + 50%減 × 2ヶ月分
  • 330日超〜360日以下:25%減 × 3ヶ月分 + 50%減 × 3ヶ月分
  • 360日超:25%減×3ヶ月 + 50%減×3ヶ月に加え、360日を超えた日数(30日ごと)につき75%減が1ヶ月ずつ加算されます。


また、期末手当(いわゆるボーナス)についても、直近6ヶ月の算定期間中に報酬が減額された月がある場合、その平均減額割合に応じて同様に差し引かれます。

③ 復帰時の手続き

欠席期間が180日を超えた議員が再び会議に出席しようとするときは、医師の「就労可能証明書」等を議長に提出することが義務付けられます(議長が不要と認めた場合を除く)。

④ 適用除外(減額されないケース)

ただし、本人の責任によらない以下のような正当・不可抗力な事由による欠席は、減額の対象外と定められています。

  1. 公務上の災害・通勤災害
  2. 出産(産前6週間・産後8週間の範囲内など)
  3. 感染症法に基づく患者・無症状病原体保有者となった場合
  4. 災害、事故その他議員の責めによらない場合で、議長がやむを得ないと認める事由

※判断に疑義が生じた場合は、議長が「議会運営委員会」に諮問し、答申を得たうえで決定します。

■2. 藤野英明議員の「賛成討論」要約

本議案に対し、無所属の藤野英明議員が賛成討論を行いました。
条例の趣旨に賛同しつつも、「家族の介護や看護などのケアを担うケアラー(育児・介護・障害児者の介助者など)」が不当に排除されることのないよう、柔軟かつ人権に配慮した運用を求める内容でした。

以下はその要約です。

【藤野議員 賛成討論の要旨】

①条例への賛成と問題意識

  • 議員の責任と報酬の関係について市民へ説明責任を果たす制度の必要性は理解しており、条例案の趣旨に賛成する。しかし、長期欠席の事情は一人ひとり異なり、誰もが予期せず直面する「家族の介護・看護・ケア(ケアラー)」への配慮が不可欠である。ケアを担っている人が議員を諦めたり、議員になった後にケアを理由に活動を断念せざるを得なくなるような制度にしてはならない。

②条文上の課題と「適用除外」の解釈

  • 第6条の適用除外には公務災害や出産、感染症は明記されているが、「介護や看護」は個別に書かれていない。そのため、第6条第4号(議員の責めによらない、やむを得ない事由)を適切に適用し、ケアを理由とする欠席についても個別の事情を丁寧に汲み取る運用が極めて重要になる。


③運用のために議会が取り組むべき6つの提言

  1. 基準と手続きの明確化:議長が定める運用基準の中に、やむを得ないケアによる長期欠席も適用除外の検討対象となり得ることを明記・周知すること。
  2. 就労可能証明書の柔軟な扱い:ケア理由の欠席の場合、議員自身の病気ではないため、医師による就労可否証明書を機械的に求めず、既存の公的書類活用など本人や家族に過度な負担をかけない運用とすること。
  3. 疑義決定の公平性とプライバシー:議会運営委員会への諮問手続き等において、個人情報に配慮しつつ客観的・公平な判断基準を持つこと。
  4. 議会活動に参加できる環境整備:オンライン出席の導入検討も含め、ケアと議員活動を両立できる仕組みを整えること。
  5. 個別事情の確認とプライバシー保護:家庭の事情と切り捨てず、代わりの介護者の有無や支援状況を丁寧に把握するとともに、要介護者・家族のプライバシーを保護すること。
  6. わかりやすい相談窓口の案内:現職議員だけでなく市民にも、ケアを理由とする長期欠席への配慮手続きをわかりやすく示すこと。


■3. 現任期中の欠席状況について

今回の条例制定を受け、市民の皆様の中には

「いままでルールはなぜなかったの?なんで今そのルールを作ったの?」
「実際のところ、現任期の横須賀市議会で長期欠席をした議員はいるの?」
「今回のルールだと減額になるの?」

という点が気になる方もいらっしゃるかと思います。

現在の横須賀市議会2023年改選後の任期において、会議等の欠席日数が多かったのは藤野英明議員、青木哲正元議員ですが、
結論から申し上げますと、両名とも、仮に今回の新ルールに照らしたとしても「報酬減額」の対象には該当しません。

◎藤野英明議員(無所属)

  • 藤野議員は現任期中、療養のため本会議などを全て欠席する期間(2024年6月定例議会から12月定例議会まで)などがありました。しかし、欠席は断続的または一定期間にとどまり、条例が定める「180日を超える期間、全ての会議等を欠席する」という長期欠席の要件には至っていません。現在は、政策議論に精力的に参画を続けています。


◎青木哲正元議員(自由民主党)

  • 青木元議員は2025年の定例議会で欠席する日がありました。2025年12月10日に、一身上の都合により議員辞職願を提出され、本会議で正式に許可されました。


なお、当然ながら、他にも体調不良等で欠席した議員は多数おりますが、細かくなるのでここでは割愛します。

■議会への信頼と、「一人の生活者」としての議員とのバランス

議員報酬は市民の皆様の税金によって賄われており、長期間にわたり議会活動ができない状況に対して報酬減額などのルールを設けることは、議会への信頼を保つ上で自然な要請といえます。

一方で、議員も一人の人間であります。
病気や怪我、あるいは家族の介護・看病といった予期せぬ困難に直面することがあります。
ただ一律に切り捨てるのではなく、不可抗力な事由に対する丁寧な配慮やオンライン等を活用した参画環境を整えることで、誰もが孤立せず、多様な背景を持つ市民が安心して議会に挑戦・活動し続けられる環境づくりを進めていくことは、重要だと考えています。

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